「ママのおけけがなくなってた」|側音化構音の息子と発音練習の記録

発達・療育

今朝、息子が目を覚まして、ぽつりと言いました。

「こわかった……」

どうしたの? と聞くと、

「けぇなかった……」

けぇ……?

一瞬、何のことかわかりませんでした。

「ママのおけけがなくなってた……」

おけけ? 髪の毛?

夢の中で私の髪の毛がなくなったのかと思ったら、違いました。

「手」でした。

息子は「て」の発音が苦手で、「け」に近い音になることがあります。つまり、「ママのおててがなくなってた」と言っていたのでした。

私たちは、いつも手をつないで寝ています。夜中か朝方に目が覚めたとき、いつもそこにあるはずの私の手がなかった。それが怖かったようです。

……かわいい。かわいすぎる。

8歳になっても、私の手がないだけで「こわかった」と言ってくれるなんて。朝から愛おしくてたまりませんでした。

でも、この「おけけ」には、息子がこれまで頑張ってきたことも詰まっています。

小さい頃から気になっていた発音

息子の発音は、小さい頃から気になっていました。ほかの子とは少し発音の仕方が違う気がする。聞き取りにくい音もある。

相談したこともありましたが、その頃は「まだ舌も発達段階だから」と、しばらく様子を見ることに。

成長とともに発音できるようになることもあるのだと思います。それでも、「本当に待っていていいのかな」という小さなモヤモヤは、ずっと残っていました。

小学校1年生になってから、息子は詳しく発音を調べてもらいました。文字と音がしっかり結びついてきた頃に、それぞれの音をどう発音しているか見てもらったのです。

そこでわかったのが、「側音化構音」でした。

初めて聞く言葉でしたが、「やっぱり、発音しづらい理由があったんだ」と、長く抱えていたモヤモヤに名前がついた気がしました。

「力を抜く」ことから、少しずつ

それから、言語聴覚士の先生と一緒に発音の練習をしています。

息子の場合は、まず舌を平らにして、力を抜く練習から。体にも力が入りやすい息子にとって、舌の力を抜くのは簡単ではありません。

「力を抜いてね」と言われても、舌は自分では見えないし、どこに力が入っているのかもわかりにくい。大人でも難しそうです。

割りばしなどを横向きに噛んで、舌を平らにする感覚をつかむ練習を試したこともありました。でも息子は「おぇ!」となってしまい、うまくできませんでした。

苦手な感覚もある息子。無理なものは、本当に無理です。

先生と一緒に、できる方法を探しながら、何度も練習してきました。すぐにできたわけではありません。少しずつ、本当に少しずつ。

最近は、自分で舌の形や力の入り方を意識できるようになってきました。「あ、今ちがった」と気づけることもあります。

そばで見てきた私にとって、それは大きな成長です。当たり前のように聞こえる「て」という音も、息子は一生懸命に身につけている途中なんだなと思います。

今だけの「おけけ」

いつか、きれいに「おてて」と言えるようになってほしい。もちろん、そう思っています。

でも、そのときには「おけけ」は聞けなくなるのかもしれません。そう思うと、今朝の言葉も、なんだか愛おしいのです。

小さい頃から気になっていた発音。様子を見ながら過ごした時間。側音化構音だとわかってから、できない練習もあったけれど、少しずつできることが増えてきました。

まだ練習の途中。だからこそ、この途中の姿も残しておきたいと思います。

そして今夜もきっと、息子は私の手を探して眠ります。

「ママのおけけ」がちゃんとそこにあることを確かめながら。

いつか「おてて」と言えるようになったとき、今日のことを一緒に笑えたらいいな。

その日まで、ゆっくり、ゆっくり。息子のペースで。

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