子どものつま先歩きから療育へ。母親の「なんとなく」を信じてよかった

発達・療育

ぱんだが、まだ小学校に上がるずっと前のことです。

今では当たり前のように使っている「療育」という言葉。でも当時の私は、児童発達支援というものがあることも、療育というものがあることも知りませんでした。

始まりは、ぱんだのつま先立ちでした。

相談した日は、普通に歩いていた

ぱんだは小さい頃、よくつま先立ちで歩いていました。

最初は「こういう歩き方をする子もいるのかな?」くらいに思っていました。でも、ずっと続く。やっぱり、なんか気になる。

自治体の健診のときに相談してみることにしました。

ところが、その日の会場には床にマットが敷いてあって。そんな日に限ってぱんだは、足の裏をぺたんとつけて歩くのです。

……いや、いつもはつま先なんですけど。笑

でも、その場では普通に歩けている。「しばらく様子を見てください」ということになりました。

そうなのかな。大丈夫なのかな。

そう思いながらも、私の中には小さなモヤモヤが残っていました。

初めて聞いた「足底過敏」

ぱんだは心臓のことで、定期的に病院へ通っていました。ある日の診察で、その先生にも聞いてみました。

「ずっとつま先立ちで歩くんですけど、大丈夫なんでしょうか?」

先生はすぐに神経の先生へ電話をして、聞いてくれました。そこで初めて耳にしたのが「足底過敏」という言葉でした。

足の裏の感覚が敏感で、床に触れるのを嫌がってつま先立ちになることもあるらしい。

過敏……?

そう言われてみれば、ぱんだは足の裏を触られるのを嫌がります。「そういうこともあるのか」と、少し納得しました。

ただ、このときも、しばらく様子を見ることになりました。

研修医の先生との出会い

それからしばらくして、ぱんだがアレルギーの負荷試験で一泊入院したときのことです。

担当してくれた研修医の先生と話している中で、先生が神経科に興味を持っていると知りました。

その瞬間、私の中で「チャンス!!」と思いました。笑

「あの、この子ずっとつま先立ちで歩くんですけど……」

また聞いてみました。今思えば、私、結構しつこい。笑

でも、ずっと気になっていたのです。

先生はつま先立ちだけでなく、ぱんだの普段の様子も細かく聞いてくれました。そして、小児神経の先生につないでくれることに。予約まで取ってくれました。

やっと、ちゃんと診てもらえる。

そのときの私は、発達について何か診断してもらおうと思っていたわけではありません。気になっていたのは、あくまでもつま先立ちでした。

病院でリハビリをするなど、何かできることがあるんじゃないかな。そんなふうに考えていました。

知らなかった「療育」という世界

小児神経の先生に診てもらうと、私が思い描いていたように病院のリハビリで対応していくものではない、と説明を受けました。

そして先生が教えてくれたのが、児童発達支援と療育でした。

療育……?

私にとっては、ほとんど初めて聞く世界でした。

そこから自治体の発達相談にも予約を入れました。話を聞き、いろいろ教えてもらいながら、少しずつ療育について知っていきました。

そして、児童発達支援を利用するために動き始めました。

当時、利用に向けて手続きを進める中で、病院の先生にぱんだの状態や支援の必要性を書いてもらうよう説明を受けました。

それなら先生にお願いしよう。私はまた病院の予約を取り、聞いたことをそのまま伝えました。

「療育を利用するために、先生に書いてもらうものが必要みたいです」

すると、思ってもいなかった言葉が返ってきました。

「診断をつけます。いいですか?」

え。診断?

なんだか急に、話が重くなった気がしました。

私は、つま先立ちが気になって、何かリハビリができないかと思っていました。そこで療育を教えてもらい、利用してみようと思った。そんな感覚だったからです。

一瞬戸惑いました。それでも「はい」と答えました。

先生から告げられたのは、「自閉スペクトラム症です」という診断でした。

「今後、病名が変わる可能性はあります。でも、今の状態で診断するならば、自閉スペクトラム症です」

そう説明されました。

ものすごく驚いたというより、私の中に出てきたのは「あぁ、やっぱりか」という気持ちでした。

つま先立ち以外にも、ぱんだのことで、なんとなく気になることはありました。全く考えたことがなかったわけではないのだと思います。

でも、「もしかしたら」と自分で思うことと、先生から診断を告げられることは、やっぱり違いました。

小さな違和感から、次の一歩へ

こうして、ぱんだに診断がつきました。でも、これはゴールではありません。

今度は「どこで療育を受ける?」という、私たちの療育先探しが始まります。

振り返ると、始まりは本当に小さな違和感でした。

「この子、なんでいつもつま先で歩くんだろう?」

健診で相談して、様子を見て。それでも気になって、別の先生にも聞きました。また様子を見て、それでも気になって、出会った研修医の先生にも聞きました。

そうやって一つずつつながった先に、それまで知らなかった「療育」という世界がありました。

あのときの私は、この先いくつもの療育先を探し、見学して、ぱんだに合う場所を探していくことになるなんて、まだ知りません。

でも、あの小さな違和感を大切にしてよかったと思っています。

療育先探しのことは、また次のお話で。

ぱんだの療育は、あの小さなつま先立ちから始まりました。

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