年少の12月。
ぱんだにとって、初めての生活発表会がありました。
秋の運動会では、ダンスの途中で応援席のほうへ行ってしまい、私はずっとハラハラしていました。
今度は、会場の舞台での発表です。
「大丈夫かなぁ」
楽しみな気持ちと一緒に、やっぱり不安もありました。
でも、今思い出すと、まず浮かんでくるのは、青いきのこになったぱんだの姿。
そして、お迎えのときに涙を流していた先生の顔です。
初めての会場。まずは、みんなの様子を見るところから
幼稚園では、発表会に向けて練習が進んでいました。
ダンスは「きのこどこのこ」。
合奏では、カスタネットを担当しました。
リハーサルで会場へ行ったとき、ぱんだは、最初、バスから降りようとしなかったそうです。
初めての場所。
バスを降りて、会場に入る。
そこから、ぱんだには難しかったんですね。
先生は、そんなぱんだに、段階を踏んで寄り添ってくださいました。
まずは、見る。
とにかく、みんなの様子を見る。
すぐに一緒にやるのではなく、まわりを見ている。
「ぱんだらしいなぁ」
今、振り返るとそう思います。
最初のリハーサルでは、会場を怖がったり、大きな音を嫌がったりしていたようでした。
それでも、舞台に立つと、自分の位置で演目に参加できたと聞きました。
そして、2回目には、会場にもスムーズに入れたそうです。
先生に付き添ってもらいながら、初めての場所で過ごす経験を重ねていました。
「ママは客席から、ずっと見ているよ」
家では、当日のことを何度も話しました。
会場までは、一緒に行くこと。
着いたら、ぱんだは先生やお友達と動いて、ママとは別々になること。
ママは客席にいて、そこから見ていること。
何度も、何度も伝えました。
衣装についても、約束しました。
「ママ、ぱんだのきのこの姿、まだ見たことないから、とっても楽しみ!」
「その日にしか見られないから、ママ、ずっと見てるよ。見せてね」
ぱんだの可愛い姿を、見たかったんです。
でも、楽しみだから伝えていたのと同じくらい、本番はどうなるだろうという心配もありました。
何度も話して、ぱんだも確認して。
そうして、当日を迎えました。
先生が作ってくれた、青いきのこ
ダンスの衣装は、先生の手作りでした。
子どもたちは、赤と青のきのこに分かれていて、ぱんだは青。
頭には、大きなきのこの帽子。
白いシャツに、ひものついた、ふわっと膨らんだズボン。
もう、本当に、めちゃめちゃ可愛かったんです。
大きなきのこをかぶった、小さなぱんだ。
ちょっとぎこちない動きも、あどけない表情も、たまりませんでした。
今思い出しても、
「可愛かったなぁー!」
ってなります。
先生が作ってくださった衣装で、みんなと並んでいる。
その姿を、私は客席から見ていました。
可愛い。でも、安心して見てはいられない
そんな可愛い姿を見ていても、安心して見ていられたかというと、そうではありませんでした。
いつ、何が起きるかわからないのが、ぱんだ。
途中でどこかへ行くかもしれない。
急に嫌になってしまうかもしれない。
私は最後まで、気が抜けませんでした。
こじかのときのように、
「頑張ってるなぁ」
と、うるうるしながら見守る余裕はありません。
涙なんて、出ない。笑
可愛い。
本当に可愛い。
でも、ハラハラする。
その両方の気持ちで、舞台を見ていました。
ぱんだは、ダンスに参加できました。
カスタネットも、たまにズレるけど、できました。
歌は……口パクっぽかったです。笑
それでも、お友達と一緒に舞台に立って、口を動かしている。
そのあどけない姿が、また可愛くて。
発表が終わってから振り返ると、心配していたほどではありませんでした。
でも、見ている最中は、そんなふうには思えなかったんです。
あの可愛い姿の裏で、実は一波乱
あとから聞くと、本番の直前にも、ひとつ大変なことがあったそうです。
ぱんだは、ぎりぎりまで衣装を着なかったんだとか。
家で何度も約束していても、当日は、そのまますんなりとはいかなかったんですね。
先生が機転を利かせてくださって、どうにかぎりぎりで間に合ったと聞きました。
どんなふうに声をかけてくださったのか、そこまでは聞けていません。
ただ、
「あの裏側では、実は一波乱ありました!」
という感じだったんです。
客席から見ていた、青いきのこのぱんだ。
その姿になる直前まで、先生が対応してくださっていました。
お迎えで、泣いていたのは先生でした
発表会が終わって、ぱんだをお迎えに行ったとき。
先生のほうが、泣いていました。
「ぱんちゃん、ほんとによく頑張りましたー」
涙を流しながら、そう話してくださいました。
初めての会場で、バスから降りるところ。
中に入って、みんなの様子を見るところ。
衣装を着て、舞台に立つところ。
そのひとつひとつに、気長に寄り添ってくださった先生。
私には、感謝しかありませんでした。
「本当に、先生が気長にぱんだに寄り添ってくださったおかげです」
そういう気持ちで、いっぱいでした。
本番の姿だけでは、私に見えていなかったことがありました。
先生から聞いていた練習の様子と、舞台裏のお話。
そして、お迎えのときの涙。
ぱんだの初めての生活発表会には、先生に支えていただいた時間も、たくさんありました。
今も思い出す、青いきのこの姿
初めての生活発表会。
私は、最後までハラハラしていました。
ぱんだは、青いきのこになって踊って、カスタネットをたたいて、歌は口パクっぽくて。笑
そして、先生は、お迎えのときに泣いていました。
あの日のことを思い出すと、その全部が浮かびます。
ぎこちない動き。
あどけない顔。
先生の手作りの、大きなきのこの帽子。
ほんとーに、可愛かった。
ぱんだのあの姿と、気長に寄り添ってくださった先生への感謝。
どちらも、大切に残しておきたい、年少の冬の思い出です。



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