車椅子の義母とスシローへ。食べやすい席と、家族で囲むお寿司の時間

介護と家族

義父母と一緒に、スシローへ行った日のこと。

義母は車椅子を使っています。

車椅子で外食するときは、

「車椅子のまま入れるかな」
「席につけるかな」
「テーブルの高さは合うかな」

と、気になることがいくつもあります。

でも、何度か一緒に出かけるうちに、

「ここなら、また来られるね」

と思えるお店も、少しずつ増えてきました。

私たちにとって、スシローはそんなお店のひとつです。

もちろん、席についたら、あとはゆっくり食べるだけ……とはいかないのですが。笑

動かせる椅子がある。それが、とても助かる

スシローって、いつも賑わっていて、通路も少し狭い印象がありますよね。

席も、固定されたソファーかカウンターというイメージがあって、車椅子では利用しにくそうに思うかもしれません。

でも、私たちがいつも利用している店舗では、車椅子で行くと、店員さんが利用しやすい席へ案内してくれます。

その席は、片側が固定のソファーで、通路側には動かせる椅子が3脚並んでいます。

椅子を外せば、その場所に車椅子のままテーブルにつくことができます。

この「動かせる」というところが、私たちにはとてもありがたいんです。

義母は、お店の椅子に移って食べています

ただ、義母の場合は、車椅子の座面が低く、テーブルとの高さが合いません。

そのままでは少し食べにくいので、お店の椅子に移って座っています。

義母は立っていることができるため、まずは車椅子をテーブルに近づけます。

立ってもらったところで車椅子を後ろへ下げ、代わりに椅子を持ってきて、座ってもらう。

そうすると、テーブルとの高さが合って、食べやすくなるんです。

みんなと同じ椅子に座って、同じテーブルを囲める。

椅子を動かせることで、義母に合う食事の場所を整えられます。

3脚のうち、1脚だけ外して車椅子を置くこともできるので、車椅子の置き場所もつくれます。

そして、どの位置に座りたいかも、一緒に決められます。

車椅子での外食は、席についてからも

お店に入れること。
通路を通れること。

それも大切ですが、席についてから分かる不便もあります。

テーブルと座面の高さが合うか。
椅子へ移るための場所があるか。
車椅子をどこに置くか。
どの位置なら食べやすいか。

普段ならあまり気にしないような、ちょっとしたこと。

でも、車椅子で出かけると、そのちょっとしたことが気になるんですよね。

だから、椅子の位置を調整できるだけで、できることが増えます。

車椅子のまま食べるか、椅子に移るか。

同じ車椅子でのお出かけでも、その人に合う座り方は違うのだと思います。

義母が食べやすい位置に落ち着くと、私もひとつ、ほっとします。

……と。

席につくところまでは、とてもありがたいスシロー。

ここから私は、注文係兼、配膳係になります。笑

以前の私は、食べるよりも忙しかった

実は以前、義父母とスシローへ行くときは、少し気合いが必要でした。

一緒に外食することが嫌だったわけではありません。

ただ、忙しかったんです。

以前は、注文したものだけでなく、普通のお寿司もレーンを流れていました。

「次、何食べるー?」

と聞いて、タッチパネルで注文しようとすると、

「あ、それ取って!」

はいはい!
待って待って!

流れてきたお寿司を取って、途中だった注文に戻る。

「これでいい?」
「うん、それ」

よし、注文。

……と思ったら、

「あ!それも取って!」

また来た。笑

流れてくるお寿司を取る。
注文したお寿司も届く。
それぞれに渡す。
次の注文を聞く。

気づけば私は、注文係、寿司確保係、配膳係、お茶係。

スシローに来たはずなのに、なぜか働いている。

やっと自分のお寿司を食べようとしたら、

「次、これ頼んで」

はいはい。

そんな感じだったので、

「よし……行くか……」

と、若干の気合いが必要でした。笑

「私、慣れてきた」と思ったら

でも、久しぶりに義父母と一緒に行ったときのこと。

あれ?
なんか私、前より落ち着いてできてる。

注文を聞いて、タッチパネルで頼んで。
届いたお寿司を取って、それぞれに渡して。
自分も食べる。

もちろん忙しくはあるけれど、前みたいに、

「ちょっと、待って待って!」

とはならない。

そこで私は思いました。

「私、慣れてきたんだ」

義父母との外食にも、車椅子でのお出かけにも、少しずつ慣れてきた。

私、成長したやん。

ちょっと嬉しくなりました。

……が。

途中で気づきました。

この日のお店では、昔のように普通のお寿司が次々と流れてくるのではなく、注文したものが届く仕組みになっていたんです。

以前は、注文の途中に何度も入っていた、

「あれ取って!」

がない。

注文する。
届く。
渡す。

それだけで、ずいぶん楽になっていました。

私の成長だけじゃなかった。

スシローさん。
あなたも、ずいぶん変わっていたんですね。笑

本音を言えば、もうひとりいてくれたら

それでも、私ひとりでふたりの手助けをしていると、やっぱり忙しいです。

タブレットを見せながら、食べたいものを聞いて注文する。

お茶を準備して、醤油やガリ、わさびを用意する。

届いたお皿を、それぞれの前に置く。

注文を聞いている間にも、ほかに準備したいものがある。

そんなときは、

「もうひとり、いてくれたら助かるなぁ」

と、実は思っています。

娘が一緒に来てくれる日は、ずいぶん楽になります。

ひとりがメニューを見せながら注文して、もうひとりがお茶や調味料を用意し、届いたお皿を配る。

それくらいの余裕があると、私ももう少し落ち着いて食事ができるんですよね。

義父にも、手助けが必要です

手助けが必要なのは、車椅子の義母だけではありません。

義父にも手足の痺れがあり、直接ものに触れることを嫌がります。

ものを持つときの力加減も、とても難しいようです。

そして、すぐに疲れてしまいます。

だから、義母のことをしている間にも、義父の様子が気になります。

ふたり分の注文を聞いて、必要なものを用意して、食べやすいように整える。

同じテーブルに座っていても、それぞれに必要な手助けがあります。

私も一緒に食べながら、ふたりの様子を見ています。

慣れてきたのは本当。

でも、慣れたからといって、手がもう一本増えるわけではないんですよね。笑

それでも、嬉しそうな顔が見たいから

それでも、また3人で食べに行くのは、ふたりの嬉しそうな顔が見たいからです。

喜んでもらいたい。

やっぱり、その気持ちがあります。

義父母だけで外出することは難しく、出かけるには誰かが一緒に行く必要があります。

だから、一緒に行けるときには、外にも出てほしい。

家の外の景色を見て、好きなものを選んで、おいしいものを食べる。

そんな時間を楽しんで、心も体も、元気でいてほしいと思っています。

もうひとりいたら助かるなぁ、と思うこともある。

でも、一緒に来られて嬉しい。

どちらも、私の本当の気持ちです。

夫も、喜んでくれているかな

こうして義父母と仲良く過ごしていると、

「夫も、喜んでくれているかな」

と思います。

夫の両親と私が、一緒に出かけて、同じテーブルを囲んでいる。

そんな様子を、夫も嬉しく思ってくれていたらいいな。

車椅子でのお出かけには、行く前に気になることも、出かけてから忙しいこともあります。

でも、一緒に行ってみることで、

「この席なら食べやすいね」
「ここなら、また来られるね」

と分かることもあります。

私たちにとって、スシローはそんなお店のひとつになりました。

ただし。

私は今日も、注文係兼、配膳係です。笑

ちょっと忙しいけれど、ふたりの嬉しそうな顔を見られたら、やっぱり来てよかったなぁと思う。

また、一緒にお寿司を食べに行こうね。

※席のつくりや注文方法は、私たちが利用した店舗での体験です。店舗によって異なる場合があるため、初めて利用する際は、車椅子で使える席について事前に確認しておくと安心です。

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