仕事中、思いがけないところで、心がぱっと明るくなる瞬間がありました。
私は介護の仕事をしています。
使用後のおむつは新聞紙に包んで捨てるので、交換する前に、まず新聞紙を広げます。
その日も、いつものように広げたら。
目の前に、一面のきれいな紅葉。
キッコーマンの広告でした。
「わぁ、きれい……」
思わず、一瞬、手が止まってしまいました。
おむつ交換の準備中に、こんな景色に出会うなんて。
思ってもいなかったから、余計に嬉しくて。
ほんの一瞬だったけれど、
気持ちが、わぁっと上がったんです。
いつもの新聞紙を広げただけなのに。
なんだか、いいものを見せてもらったなぁって。
そんな小さな嬉しさがあった日でした。
そして、お昼ごはんのあとには、
自分で自分に笑ってしまう出来事も。
入浴の時間になった利用者さんを、呼びに行ったときのことです。
「お弁当食べて、お腹いっぱいになったら眠くなっちゃったー」
そう言いたかったのに、口から出たのは、
「お腹食べて〜」
……お腹、食べちゃった。
しかも、途中では気づかず、
ぜーんぶ言い終わってから、
「あれ?」
「今、私、何て言いました!?」
利用者さんに確認してしまいました。
自分でおかしくなって、
笑いがこぼれてしまって。
そんな私を、利用者さんはやさしく受け止めて、
一緒に笑ってくださっていました。
その笑顔を見て、なんだかほっこり。
嬉しかったんです。
少し疲れていたのかな。
お腹いっぱいで、言葉まで混ざってしまったのかな。
ちょっとおかしなことを言ってしまったけれど、
そのあとにあったのは、やさしい時間でした。
新聞紙の紅葉に、心が弾んだこと。
言い間違えた私に、笑ってくださったこと。
どちらも、仕事の途中のほんの小さな出来事です。
でも、こうして振り返ると、
ちゃんと心に残っているんですよね。
きれいなものを見て、嬉しくなって。
自分の言い間違いに笑って、
一緒に笑ってくださる方がいて。
あの紅葉も、あのやさしい笑顔も。
忘れないうちに、ここに残しておこうと思います。


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