ひとりぼっちじゃない、ひとり時間

小さな幸せ

最近、空を見上げることが増えました。

少し前までは、
こんなふうに空を眺めることなんて、
あまりなかったような気がします。

毎日やることがあって、
時間に追われて。

次はこれ。
その次はあれ。

気づけば一日が終わっていました。

でも最近、

「ちょっと外に出てみようかな」

と思うことがあります。

この日も、
キャンプチェアをひとつ出して、
薄手の毛布を持って、
ベランダへ。

このキャンプチェア。

以前は、夫が日光浴をするときに
よく使っていたものでした。

あの頃は、
夫が昼の空の下で。

今は私が、
同じ椅子に座って夜の空を見上げています。

なんだか不思議。

特別なことを考えるわけでもなく、
ただその椅子に座って、
空を見上げました。

外は、
思っていたより少し肌寒くて。

毛布をぎゅっと身体に巻いて、
椅子に座って、

ぼーっと夜空を眺めます。

星が見える。

ただ、それだけ。

何かを考えようとするわけでもなく、
何か答えを出したいわけでもなく。

ただ、
夜の空を見ていました。

家の中からは、
ぱんだとこじかの声が聞こえてきます。

笑い声だったり、
何か話している声だったり。

静かな夜の中に、
いつもの生活の音が聞こえてくる。

それを聞きながら、
ふと思いました。

あぁ。

私、
ひとりになりたいわけじゃないんだなぁ。

ひとりぼっちで、
静かな場所にいたいわけじゃない。

たぶん私が好きなのは、

大切な人たちの気配を感じながら、
ほんの少しだけ、
自分ひとりになる時間。

すぐそばに、
子どもたちがいる。

笑っている声が聞こえる。

呼ばれたら、
「なにー?」って返せる距離。

その中で、
毛布にくるまって、
ひとりで夜空を見上げる。

なんだかそれが、
今の私にはとても贅沢な時間に感じました。

本当にひとりだったら、
この星空も、
少し寂しく見えるのかもしれません。

子どもたちがいるからこそ、

「ひとりの時間」が、
心地いいのかもしれない。

そして、
こんな時間を過ごせるのも、
きっとずっとではありません。

今は家の中から、
当たり前みたいに子どもたちの声が聞こえてくるけれど、

何年かしたら、
それぞれに自分の世界ができて、

こんなふうに同じ家で、
すぐそばにいる時間も
少しずつ減っていくんだろうな。

そう考えたら、

今ここにある毎日が、
急に愛おしくなりました。

夫が昼の空を眺めていた椅子で、
私は夜の空を眺めている。

そして家の中からは、
子どもたちの声が聞こえている。

時間はちゃんと、
流れているんだなぁ。

でも、
なくなってしまうものばかりじゃなくて。

形を変えながら、
今の暮らしの中に残っているものもある。

そんなことを、
少しだけ思いました。

……なんて、
しんみり考えていたら。

子どもたち、
すぐベランダに来ました。笑

私のひとり時間、
終了。

しかも今度は、
ふたりでひとつのキャンプチェアに座って、
一緒に毛布にくるまってる。

私の椅子、
完全に取られました。笑

でも。

そんなふたりを見ながら、
これもいいなぁと思いました。

静かにひとりで眺める夜空もいい。

子どもたちと、
ぎゅうぎゅうになって眺める夜空もいい。

きっと私は、
こういう何でもない時間を
あとから思い出すんだろうな。

特別な場所じゃなくてもいい。

何か楽しい予定がなくてもいい。

家のベランダに椅子をひとつ出して、
毛布にくるまって、
空を見上げる。

そのすぐそばに、
大切な人の気配がある。

それだけで、
ちゃんと幸せなんだと思います。

今日もまた、
少しだけ空を見上げてみようかな。

ひとりで。

……たぶん、
すぐ見つかるけど。笑

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